2023-10-29
不動産売却をすると、加入していた火災保険の契約はどうなるかご存じですか?
実は、ご自身で解約手続きをしない限り、不動産売却をしても火災保険が解約されることはありません。
そこで今回は、不動産売却の際に火災保険を解約する手続きの流れや注意点、保険料の返金を受けるための条件や返金額の計算方法、火災保険を解約する前にしておくべきことについて解説します。
大阪市で不動産売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
不動産を購入する際には、火災保険への加入が義務付けられています。
また、多くの方は、不動産購入時に数年分の火災保険料をまとめて支払っているのではないでしょうか。
もし火災保険の契約期間中に不動産売却をすることになり、火災保険を解約した場合、未経過分の火災保険料が返金される場合があります。
ただし、解約手続きはご自身で進める必要があるので注意しましょう。
ここでは、火災保険の解約に適したタイミングと、解約手続きの流れについて解説します。
不動産売却をすることになり、火災保険を解約する場合、解約手続きのタイミングに注意が必要です。
火災保険の解約手続きは、かならず「不動産の引き渡しが完了したあと」におこないましょう。
不動産売却では、売買契約の成立から引き渡しまでに1か月~数か月ほど期間があくのが一般的です。
その期間中に、不動産が火災や自然災害によって被害を受ける可能性はゼロではありません。
多くの場合、もし引き渡し前に不動産が被害にあってしまったら、売買契約の成立後であっても売主が修繕費を負担することになります。
これは、不動産売買における「危険負担」という考え方です。
通常、売買契約が成立すると、買主は不動産の代金を支払わなくてはなりません。
しかし、もし引き渡し前に不動産が火災などにより被害を受けた場合は、「買主は支払い義務を免除される」というのが不動産業界における取引上の慣例となっています。
不動産が被害を受けたうえに買主から売買契約を解除されてしまうと、売主としてはとても大きな損害です。
この際、火災保険をすでに解約してしまっていると、売主は保証も受けることができません。
多額の修繕費用を自己資金で支払うリスクを避けるためにも、火災保険の解約日はかならず「引き渡し後」に設定しましょう。
ただし、解約が遅くなるほど払い戻される保険料の金額は少なくなります。
引き渡しが終わったら、速やかに解約手続きを進めることも大切です。
火災保険を解約することが決まったら、保険会社もしくは保険を契約した代理店に連絡をします。
連絡先は、保険証券で確認可能です。
電話で解約する意思を伝えると解約申請書類が送付されてくるので、必要事項を記入して返送しましょう。
この際、解約日はかならず「引き渡し後」に設定してください。
これだけで解約手続きは完了です。
書類に問題がなければ、指定した口座に保険料の返金額が振り込まれます。
解約の連絡や解約申請書類の記入は事前に進めていても問題ありませんが、保険会社への返送は引き渡しが完了してからにすると安心です。
引き渡しのスケジュールは、予期せず変更になる場合があります。
また、引き渡しの際は、不動産の所有者移転登記が確実に完了しているかも確認しておきましょう。
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火災保険を解約して保険料の返金を受けるには、いくつかの条件があります。
不動産売却をして火災保険を解約する場合、保険料の返金を受けるための条件は下記のとおりです。
返金を受けるためには、火災保険を長期一括契約しており、解約時点で残存期間が1か月以上あることが条件となります。
長期一括契約でまとめて支払っていた保険料が、解約の際に未経過分に応じて返金される仕組みです。
火災保険は、最長で10年まで長期一括契約ができます。
長期で契約するほど保険料が割安になるため、不動産購入時に長期一括契約を選択する方は多いのではないでしょうか。
長期一括契約を結んでおけば、1年ごとに火災保険料を支払う手間を省くこともできます。
しかし、不動産売却をしても、火災保険の未経過分が自動的に返金されるわけではないので注意が必要です。
契約してから時間が経過していると、火災保険の存在自体を失念してしまうことがあります。
返金を受け取るためには、ご自身での火災保険の解約手続きが不可欠なことを覚えておきましょう。
解約手続きをおこなうにあたり、気になるのは「いくら返金されるのか」という点ではないでしょうか。
返金額は、一括で支払っていた保険料と、「未経過料率」を使って計算します。
未経過料率とは、長期一括契約を解約する際や、契約内容を変更する際に、返金額を計算するためにもちいる係数です。
未経過料率は保険会社ごとに設定されていますが、会社によって数字が大きく異なることはほとんどありません。
未経過料率の一例は下記のとおりです。
これらの未経過料率を基に、返金額を求めます。
返金額を求める計算式は下記のとおりです。
返金額=一括で支払った火災保険料×未経過料率
10年の長期一括契約をしており、支払った火災保険料が10万円のケースで計算してみましょう。
契約から5年1か月を経過した時点で解約する場合、未経過料率は50%程度です。
この場合の返金額は、「一括で支払った保険料10万円×未経過料率50%=5万円」となります。
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火災保険は火災による損害にしか適用されないと思い込んでいませんか?
加入している火災保険の内容によっても異なりますが、多くの火災保険では火災以外の損害であっても適用されます。
火災保険の適用対象となる主な災害は下記のとおりです。
不動産売却をする際は、事前に不動産の状態を確認し、不具合があれば火災保険を利用して修繕を済ませておきましょう。
売却活動前に修繕を済ませておけば、不動産の価値を高めることができます。
また、もし売買契約の締結後に告知していなかった不具合が見つかった場合、売主は修繕費を負担しなければなりません。
場合によっては買主から契約解除を求められるケースもあるため、売却前に不具合を見つけて対応しておくことはとても重要です。
火災保険の適用外だと思って放置していたちょっとした水漏れなども、まずは保険会社の審査を受けてみることをおすすめします。
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火災保険は、解約しなくてもペナルティなどはありません。
しかし、そのまま契約満了をむかえてしまうと保険料の返金が受けられなくなります。
また、火災保険を不動産の修繕にうまく活用できれば、不動産売却前に不動産の資産価値を高めることが可能です。
場合によっては返金を受けるより利益が出るケースもあるため、ご自身にとって最適な方法を検討してみてください。
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