2023-11-11
不動産を相続したときに必要な相続登記は、現在任意の手続きですが令和6年4月1日から義務化されます。
期限内に登記申請をしないと罰則が科されてしまうため、不動産を相続するご予定の方は概要を把握しておくことが大切です。
この記事では、相続登記の義務化でなにが変わるのか、制度の内容と相続したくない場合の対処法などを解説します。
大阪市で不動産を相続するご予定のある方は、ぜひ参考になさってください。
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相続登記とは、不動産の所有者が死亡した場合に、不動産の名義を相続人に変更する手続きのことです。
たとえば、親が亡くなり長男が実家を相続するとなった場合は、相続登記をして家の名義を長男に変更する必要があります。
現在は任意の手続きですが、冒頭でも述べたように令和6年4月1日から義務化されることが決まっています。
なぜ相続登記が義務付けられるのかというと、相続登記の未了により所有者不明土地が増加しているためです。
所有者不明土地とは、不動産登記簿を確認しても所有者がすぐに判明しない、判明しても連絡がつかない土地のことです。
このような土地は所有者の探索に多大な時間と費用を要するため、公共事業や復旧、復興事業の妨げとなっています。
こうした問題を解決し土地を有効活用するために、令和6年4月1日から相続登記を義務化することとなりました。
被相続人が死亡した際に提出する死亡届や相続税の申告には期限が設けられており、届出が遅れた場合は過料や延滞税が課されます。
一方で相続登記の申請は任意とされており、申請が遅れた場合のペナルティなども設けられていません。
申請をしなくても相続人が不利益を被ることが少なかったため、相続登記をせずに放置する方が増えてしまったと考えられます。
相続登記がされないまま長期間にわたって放置されると、メガ共有地となり多くの方に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
メガ共有地とは、相続登記がされないまま相続が繰り返され、共有者が数十人規模となっている土地のことです。
共有状態の土地を売却や活用するには、共有者全員から同意を得なければなりません。
共有者があまりにも多いと、意見がまとまらなかったり連絡が取れなかったりして、売却や活用が難しくなります。
また、公共事業や復興事業の妨げとなり、地域住民や行政にまで迷惑をかけることになってしまいます。
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相続登記が義務化されると、定められた期限内に登記申請をおこなわなければなりません。
正当な理由なく申請が遅れた場合、ペナルティが科される可能性があります。
損をしないためにも、相続登記の義務化によって相続人にどう影響があるのかを確認しておきましょう。
相続によって不動産を取得した方は、不動産の取得を知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません。
遺産分割協議によって不動産を取得した場合も同様に、遺産分割協議が成立した日から3年以内に申請する必要があります。
正当な理由がないにもかかわらず申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となるためご注意ください。
場合によっては遺産分割協議に時間がかかり、期限内に登記申請をするのが難しいこともあるでしょう。
このような場合は、法務局に以下のことを申告することで、相続登記の申請義務を一時的に免除してもらえます。
なおこの制度は、相続が開始され自らが相続人になったことを示すものであり、相続登記とは別ものです。
遺産分割協議がまとまり不動産の権利を取得した際には、その日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
期限内に登記申請ができなければ、過料の対象となるためご注意ください。
相続登記の義務化と同様に、住所などの変更登記の申請も義務化されることとなりました。
登記簿に記載されている所有者は、氏名や住所の変更があってから2年以内に変更登記の申請をしなければなりません。
正当な理由がないにもかかわらず申請を怠った場合は、5万円以下の過料の適用対象となるため注意しましょう。
令和6年4月1日以前に発生した相続に関しても、義務化の対象となるため注意が必要です。
たとえば、令和3年に相続した不動産であっても、法改正が施行されたら相続登記を申請しなければなりません。
申請期限は、義務化が始まる令和6年4月1日から3年を経過する日までとなっています。
すでに不動産を相続しており登記が済んでいない方は、早めに相続登記の申請準備に取り掛かりましょう。
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令和6年4月から相続登記が義務になりますが、なかには「不動産を相続したくない」という方もいらっしゃるでしょう。
相続放棄をすれば不動産を相続せずに済みますが、この手続きをするとすべての財産に対する相続権を手放さなければなりません。
たとえば、相続財産に不動産と現金があり、不動産の取得を避けるために相続放棄をすると、現金も相続できなくなります。
こうした問題を解決するため、令和5年4月27日から相続土地国庫帰属制度も新設されることとなりました。
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地の所有権を放棄して国庫に帰属できるという制度です。
相続した土地を国へ返すには、必要書類を準備して国へ申請し、承諾を得る必要があります。
申請先は土地の所在地を管轄する法務局および地方法務局で、支局や出張所には提出できないためご注意ください。
また申請書には、審査手数料の額に相当する収入印紙を貼り付けたうえで提出することを忘れないようにしましょう。
申請後は土地の審査がおこなわれ、国が引き取ると判断した場合は、承認の通知と負担金納付のお知らせが届きます。
負担金は、国有地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して計算され、200㎡の宅地で80万円程度が目安です。
負担金を納付した時点で、土地の所有権は国へ移転しますが、申請者が登記申請をおこなう必要はありません。
なお、負担金は通知が届いてから30日が経過するまでに支払う必要があります。
管理または処分する際に過大な費用や労力が必要となる土地は、不承認となる可能性が高いです。
たとえば、境界が曖昧な土地や危険な崖がある土地、土壌汚染や埋設物がある土地などが該当します。
申請自体は可能ですが、審査の結果引き取れないと判断された場合でも、審査手数料は返金されません。
相続放棄や相続土地国庫帰属制度を利用したくない場合は、不動産売却や買取といった方法も選択肢の1つです。
仲介での売却が難しいと判断された場合でも、買取であれば物件を手放せる可能性があります。
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令和6年4月1日以降は相続登記が義務化され、期限内に申請できないと過料を課される可能性があります。
また過去の相続も義務化の対象となるため、すでに不動産を相続している方は早めに手続きすることをおすすめします。
相続放棄や相続土地国庫帰属制度を利用したくない場合は、ぜひ不動産売却や買取もご検討ください。
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