相続時に選択できる限定承認とは?相続放棄との違いについても解説

2025-01-19

相続

相続時に選択できる限定承認とは?相続放棄との違いについても解説

この記事のハイライト
●限定承認とはプラスの財産を限度にマイナスの財産を引き継ぐ相続方法である
●限定承認は相続の開始を知った日から3か月以内に申し立てをしなければならない
●相続放棄を行うと不動産や現金などすべての財産を相続できなくなる

相続と聞くと、すべての遺産を相続するか放棄するかの2パターンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
相続方法には「限定承認」と言って、プラスの財産を限度にその範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法もあります。
この記事では、限定承認を行うメリットと注意点、相続放棄との違いなどを解説します。
大阪市で不動産相続を控えている方は、ぜひ参考になさってください。

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相続前に知っておきたい「限定承認」とは?

相続前に知っておきたい「限定承認」とは?

限定承認とは、相続財産から被相続人の債務を清算して、余った財産を引き継ぐ相続方法です。
相続対象となる財産は現金や不動産、自動車といったプラスの財産だけではありません。
もし、被相続人に借金や未払金などがあった場合、それらのマイナスの財産も引き継ぐことになります。
マイナスの財産が多いと、相続放棄を検討される方も多いですが、限定承認を選択したほうが良いこともあります。
まずは、限定承認で相続するメリットとデメリットから確認しておきましょう。

限定承認を選ぶメリット

限定承認のメリットは、借入金などの負債を相続しなくて済むことです。
たとえば、プラスの財産として評価額300万円の土地、マイナスの財産として500万円の借金があるとします。
限定承認を選ぶと、300万円の土地と同等の300万円の借金を背負うことにはなりますが、200万円分の借金は背負わなくて済みます。
また、不動産を確実に相続できる点もメリットの1つです。
相続放棄を行った場合、相続財産の対象である不動産も相続できなくなります。
マイナスの財産が多くも、親との思い出が詰まった自宅は相続したいという方も多いでしょう。
限定承認を選択すれば、マイナスの財産が多い場合でも不動産を残せる点がメリットです。

限定承認を選ぶデメリット

限定承認で相続するデメリットは、手続きに手間と時間がかかることです。
申し立ての準備から手続きが完了するまで、1年以上かかるケースも少なくありません。
不動産がある場合は競売をしなければならないため、さらに手続きが複雑化します。
また、限定承認をする際は、必ず相続人全員が家庭裁判所に申し立てをおこなわなければなりません。
全員の意見が一致しないと申し立てができない点にご注意ください。

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相続時に限定承認を選択する際の注意点

相続時に限定承認を選択する際の注意点

限定承認は、マイナスの財産が多い時や特定の財産を相続したい場合におすすめです。
ただし、メリットだけでなくデメリットもあるので、注意点も把握した上で判断しましょう。
ここからは、限定承認を選択する場合の注意点を解説します。

相続人全員で手続きをおこなう必要がある

先述したように、限定承認を行うには相続人全員で手続きをする必要があります。
誰か1人でも単純承認(遺産をすべて相続する方法)を選択すると、限定承認はできません。
仲が悪かったり疎遠になっていたりする相続人がいると、意見が対立して手続きが難航する恐れがあります。
なお、相続人の1人が相続放棄した場合は、残った相続人で限定承認をおこなうことが可能です。

3か月以内に申し立てを行う必要がある

限定承認の申述は、相続人になったことを知ったときから3か月以内に行わなければなりません。
この期間を「熟慮期間」といい、期間内に何も手続きを行わないと単純承認を選んだとみなされます。
ただし、遺産の調査に時間がかかり、3か月以内に結果がわからない場合は、家庭裁判所に申し立てて期間を延長することが可能です。
また、相続人が多い場合には、被相続人が亡くなったことを知るのにタイムラグがあるケースもあるでしょう。
たとえば、海外旅行中の相続人がいて、帰国してから被相続人が亡くなったことを知ったというような場合です。
この場合の熟慮期間は、最後の相続人が相続の開始を知ったときから3か月として考えます。

手続きの完了前に相続財産を処分しない

限定承認を行う際は、手続きを終える前に遺産を処分しないようご注意ください。
少しでも遺産を処分すると、自動的に単純承認をしたものとみなされてしまいます。
遺産を処分するとは、被相続人の預貯金を解約したり、実家を売却したりするなどの行為です。
手続きの完了前に遺産を処分した場合、限定承認や相続放棄の手続きが一切できなくなります。

手続き方法を理解しておく

限定承認の申述は、被相続人が亡くなってから3か月という短期間で済ませなければなりません。
手続きをスムーズに進めるには、限定承認を行うまでの流れを知っておく必要があります。
基本的な流れとしては、相続財産や負債を調査し、相続人全員と協議を行います。
全員からの同意を得られたら、申述書と相続財産目録を作成し、家庭裁判所で申述を行いましょう。
その後審判が行われ、受理されたら相続財産管理人の選任、債務者や受遺者への公告へと進みます。
広告の目的は、債務者や受遺者に対して清算手続きに着手したことを知らせるためと相続人の捜索です。
次に、限定承認者または相続財産管理人が相続財産の管理や売却を行います。
相続した不動産は原則として競売にかけられますが、先買権を利用すれば不動産を買い戻すことが可能です。
先買権とは、物や権利を他の者よりも先に購入できる権利で、限定承認者や相続財産管理人に認められています。
公告期間が過ぎたら、届け出のあった債権者などに配当を行い、残った財産についてのみ弁済を受けることができます。

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限定承認と相続放棄との違い

限定承認と相続放棄との違い

限定承認と比較される相続方法に「相続放棄」があります。
限定承認は、プラスの財産を限度にマイナスの財産を引き継ぐ方法と解説しました。
一方で、相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべてを引き継がないことをいいます。
相続後に後悔しないためにも、それぞれの違いを理解し、ご自身にあった選択をしましょう。

手続きの進め方

限定承認を行う際は、相続人全員で家庭裁判所に申述する必要があります。
誰か1人でも単純承認を希望する場合は、限定承認を選択することはできません。
一方で、相続放棄は、相続人全員から許可を得る必要はなく、単独で手続きが可能です。

手続きの煩雑さ

限定承認は手続きが煩雑で、完了するまでに1年から2年ほどかかるケースが多いです。
申述が受理された後も債権者への公告や相続財産の換金、債務の清算など、さまざまな手続きをこなさなければなりません。
相続発生後は法事や遺品整理などで慌ただしく、さらに限定承認の手続きが重なると、負担が大きいと感じてしまうこともあるでしょう。
その点、相続放棄は申述書を提出するだけで済むため、限定承認のように長い期間を要することはありません。

相続財産の相続方法

先述したように、相続放棄をすると被相続人の財産をすべて取得できなくなります。
たとえば、遺産のなかに現金と不動産がある場合に、不動産だけを相続放棄して現金のみ取得するということはできません。
限定承認の場合、先買権を使用すれば、必要な財産のみ取得することができます。
プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合は相続放棄、残しておきたい財産がある場合は限定承認がおすすめです。
また、相続放棄が受理されると、あとからプラスの財産が出てきても、原則として取り消しができません。
相続財産が不明確で、あとから出てくる可能性がある場合は、限定承認にしておくことをおすすめします。

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まとめ

プラスの財産を限度にマイナスの財産を引き継ぐ相続方法を限定承認と言い、債務が多いときに有効です。
また、相続財産が不明な場合や実家など特定の財産を相続したい場合にも向いている方法と言えます。
限定承認の申述には期限があり、また相続人全員の同意が必要なので、早めに話し合いを始めるようにしましょう。
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